井上病院は宮崎県の県北 延岡市にあります産婦人科・小児科病院です。

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医療法人社団育生会 井上病院
〒882-0866
宮崎県延岡市平原町1丁目990番地1
●産科・婦人科
TEL:0982-21-5110
FAX:0982-21-6087
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TEL:0982-23-7402
 
高千穂産婦人科診療所
〒882-1101
西臼杵郡高千穂町大字三田井
1099番地14
●産科・婦人科
TEL:0982-82-2722
FAX:0982-82-2702
010258
 

子供の事故例とその対策③

   
これまでの復習。
人間は不注意をおかす生き物であり、子供に常に注意払うのは無理!
不注意をおかした時、さらに不運が重なると事故が起こる。
だから不注意が起きても良い環境を作っていきましょう。
危ない商品を家に置かない・使わないのが賢明です。

周りの大人の行為から事故に至る例
マニュキュア除光液に含まれるアセトンは空気より重く床に近いほど濃度が高くなり、拭き取ったあとのコットン(事例ではティッシュペーパー)はすぐに密閉容器(キャニスター)に入れて必ずフタをして,くずかごには捨てないでおきましょう.そして換気を必ずすることです。
事故例15:ティッシュペーパーに除光液を数回振り出し拭き取ることを繰り返し手足計20本の爪からマニキュアを除去するのに約15分を要した.使用した除光液は100mlほど残っており、使用中は開栓したままであった.使用後、除光液臭が充満しているのに気づいたが、換気はしなかった。換気をしないで寝てしまったため,高濃度のアセトンを含んだ空気の中に一晩乳児が寝かされていました.児は怒責様の発声が数回あり、ぐったりとした様子で12時間以上寝ていた.授乳を試みるも吸てつ力は極端に弱く、嘔吐をくりかえし反応がにぶかった.

容器を移し替えて、そのまま冷蔵庫に保管したことによる誤飲事故
良くあるのは飲み終えた缶コーヒーを灰皿代わりにしていて、目を離した隙に幼稚園児がそれを飲んでしまって救急受診なんてのは1年に1回はすくなくてもやってきました。小児科の救急をしたことある医師なら1度くらいは経験あるでしょう。
祖父が洗剤をペットボトルにいれて、冷蔵庫にしまっておいたら、飲ませてしまって来たというのも経験あります。ペットボトルに飲料以外のものを移し替えるのはやめましょう。
 
事故例16:児にカルピスソーダを注文した所、店員が誤ってカルピスサワーを運んで来て、両親、児とも気付かず一気のみした.
事故例17:祖父がワックス剥離剤の原液を、緑茶のラベルが貼られたままのペットボトルに入れ、冷蔵庫に保管していた.ワックス剥離剤の液も緑色で、緑茶と言われてもわからない色調であった.飲料のお茶と間違ってペットボトルに入っていた剥離剤を祖母が患児に与えた.本児(2歳)は一口飲んですぐ吐き出したが、口の中を痛がっていた.祖母が試しに舐めてみたところひりひりと舌がしびれた.

ヘリウムガス事故 
事故例18:文化祭の準備をしていた高校生がヘリウムガス入りのポリ袋をかぶって死亡した。筑波大での司法解剖の結果、死因は「酸欠による窒息」と分かったヘリウムガスで膨らんだ黒いポリ袋(容量45リットル)を教諭から受け取り、「ヘリウムを吸うと声が変わるんですよね」と話していたという。

風船用のヘリウムガスはほぼ100%のヘリウムガスからできており、風船ヘリウムを吸うことは少量でも窒息の危険があります。
声をかえるためのヘリウムガスは酸素が20%程度いれてあり安全性は高めてありますが、大人がこういった遊びをしていると子供が真似をして事故につながるのでやめるべきです。酸素が混ざったヘリウムガスで児童アイドルが事故に至って問題になった例もありますので安全とは言い切れません。
事故例18では、教諭がヘリウムガスは声を変えるための玩具用と風船用とあることを認識していたか疑問です。認識していればこれは風船用だから吸ったら、窒息する可能性あってあぶないと警告できたはずです。なぜなら、この生徒はヘリウムを吸うと声が変わるんですよねと教員に言っていたと証言しているのですから。
この場合も「吸って遊んだりするなよ」と声かけたとしても、なぜ吸ってはいけないかを正しく理解していないと予防にはつながりません。
「風船用のヘリウムガスは、安全性を高めた玩具用とは違って、酸素が全く含まれていないから吸ったら死ぬぞ」と声をかけていたら事故は防げたかもしれません。
 
事故例19
アイドルによるヘリウムガス吸引事故
本人はテーブルに置かれた玩具用ヘリウムガス入りスプレー缶を右手に持ち、左手で鼻をつまみ、司会者の合図で口にくわえて吸引した。4秒ほどして缶を口から離した直後から右手を震わせ始め、約5秒後に後方へ卒倒した。受け身は取れずに後頭部を強打し、全身性強直性間代性けいれんを起こした。速やかに救急要請された。

この事故原因の推測では、ガスの噴射が肺が目一杯に膨らんだあとも続けられたことから、ガスを吸い込みすぎた肺が破たんし空気が肺からもれ心臓の周りや首の回りまで空気が漏れ出ていった。もれでた空気は破たんした血管から、血液中に取り込まれ、空気が脳の細い血管を詰まらせて脳梗塞のような状態に陥った。
ガスの噴射にまかせて吸いすぎると肺が破たんして、もれた空気によって血管がつまって脳梗塞みたいなことになる」という事です。

食物の誤嚥(5歳未満のリスクが高い。)
頻度は低いが一旦発生すると死亡率が高い!!
窒息を引き起こす果実類としては,ミニトマト,リンゴ片,ブドウなどが知られており,消防庁や救命救急センターからの報告では,食品による窒息死の7~10%が 果実で占められている.
乳幼児は,歯で噛み切る,臼歯ですりつぶす機能が未熟であることが大きな要因と思われる.また,一口サイズで吸い込んで食べるものはリスクが高い.具体的には,5歳未満の小児に対しては,ブドウやミニトマトなど,ある程度の硬さがあり,球形で,外表がスムースで口腔内を滑りやすい果実・野菜を食べる時は,1/4以下の大きさに切って与える必要がある.

事故例20:2歳6か月児、ブドウ(直径3cm大、皮をむいた種なし、今回がはじめて)をまるごと1個を、一人で摂取していた。特に感冒症状や啼泣している様子もなかったが、突然咳き込んだ後に、泡を吹いて意識消失した。その後、同児を抱いて家の外に出た際、通行人にハイムリック法を施行され、ブドウは一塊で排出され、直後より児は啼泣を認めた。
事故例21:1歳6か月児、これまでブドウを食べたことはなかったが父親が「食べるか」と聞いたら頷いたため、 父親がブドウの皮をむき、丸ごと1個を児の目の前の皿に置いた。 父親の目の前で、児が自分でブドウを手に取って口に入れたところ、直後に顔面蒼白・口唇チアノーゼをきたした。病院に搬送され心拍は再開したものの脳死となり3か月後に死亡。

乳児ではうつぶせで体より頭を下にする姿勢をとらせすぐに背中を叩きだす努力背部叩打法:膝の上に顔を下にむけて・頭をより下にくるような姿勢にして乳児を置き、背中を叩く。
歩くようになってきた小児なら腹部突き上げ法(ハイムリック法)か、可能なら背部叩打法をしましょう。窒息を疑われればすぐに救急車を呼んだ方が良いです

電気ケトル 給湯ロック機能つきでないと倒れてしまってやけど事故
事故例22:母親は常時、電気ケトルを床の上において使用していた.母親は居間にいなかったため、具体的な発生状況は不明である.しかし激しい泣き声に気付いて居間に戻ったところ、患児(11か月)のすぐそばに電気ケトルが横たわっており、熱湯の溜まりの中に患児が腹這いになっていた.
事故例23:食卓の上においてあった電気ケトルから伸びていたコードに兄がつまずいたところ、床に寝ていた赤ちゃんにお湯がかぶさり火傷を負った。

大人が自分たちのために使っていたロック機能がついてないヤカンのように傾けるとお湯がでるタイプや倒した時にお湯がこぼれてくるタイプは子供のために今後使用はやめましょう。買うときは倒れたらどれくらい漏れてくるか確認してから購入すると良いでしょう。自宅にあるものは水を満たして、倒してどれくらいこぼれてくるか確認してみましょう。
万一やけどしてしまったら、広範囲でなければ急いでお風呂場で流水を30分程度かけましょう。それから医療機関へ受診した方が良いです。
 
繰り返しになりますが、子供にはできる限り注意を払うべきですが、それが無理だという認識も大事です。
目を離した隙にどうなってしまうと困るか考えておいて行動する気持ちを持ちましょう。
取られてはいけない将棋のコマのようなものです。動いた先に危険がないか、私たちは1手も2手も先を読まなくてはいけないのです。

子供が好きそうな形状のものからの事故
1回使い切りタイプの洗剤(ジェルボールなど)についてです。 
事故例24:そもそも本剤(1回タイプの洗濯用洗剤)は5歳の兄がテレビコマーシャルを見て気に入り、購入をせがんだため購入したばかりであった。本剤は、洗面所内の洗面台下の収納スペースに入れていたが、兄が取り出し床にばらまいていたようである。そこに児(2歳)が来て口のなかに入れ、かじってしまった。泣き声に気づいた母親が見に行ったところ、手にかじったあとのある本剤を握っており、製品は3分の1ほどなくなっていた。直後から児は苦しみ出し3 回嘔吐した。最初の吐物は泡状であり、2、3回目は夕方に摂取したと思われるゼリーが出てきた。
事故例25:洗剤は、ふだんは自宅の洗面所に設置したドラム式洗濯機の上の棚に置いていたが、当日は洗濯機の上にタオルをおき、その上に本剤を置いていた。詳細は不明であるが、タオルと本剤が床に落ちていたので、患児(2歳)がタオルを引っ張ってしまい、タオルの上にあった本剤が床に落ちたのではないかと思われる。母親が児の泣き声に気づいて洗面所に行ったところ、手にかじりかけの本剤を握っており、口からよだれを流していた。児に「食べたのか?」と聞いたところ、うなずいたとのこと。口からは洗剤独特の芳香剤の臭いがした。母親が発見した直後から複数回の嘔吐や流延があり、救急搬送された。

米国中毒センターの報告によると,2013年の一年間で本剤に関する報告が5歳以下の乳幼児において10,354件あった.本剤は高濃度であるため,通常の洗剤を誤飲した程度ではみられない頻回の嘔吐, 呼吸障害,意識レベルの低下,また角膜損傷の事例などが報告されている
製品の表示には「子どもの手の届かないところに置いてください」と注意喚起がなされている.このような注意喚起がなされていても,報告された事例のように偶発的なことが起こり得る.こどもの手に届かない所に置くように普段は誰しもするものですが、1%でも0.1%でもいいのですが、不注意が起きることを想像して下さい。手の届くところに置いてしまって、さらに不運にも子供が寄ってきて口にいれる、握りつぶして目に入る。こういった想像力を働かせれば、この製品は子供がいる家では置かない方が賢明です。洗剤は他にもたくさんあって、これを使わないでも洗濯はできるのですから。

幼児の駐車場内・見送りバスなどの事故も多発しております。
歩き始めてからの保育園児や幼稚園児やその子弟に多いです。
背が低いことから運転席から死角になり、気づきにくいため発進時や駐車時の事故などがおこります。転んでいれば完全に見えません・・・
車から降ろす時は運転手が幼児を車から降ろすルールを家庭内で作りましょう。

二人以上の子供がいるときは運転席の後ろに、幼児(二人以上いるときは、大人しくいう事を聞く子)が来るように配置すると降ろしやすいです。助手席や後部座席に乗っていた大人が降ろすと、一旦停車した間に運転手がしらずに子供が降りており、入れなおすためや場所を移動するために再度発進させる時に自分の子供をひいてしまう事例があります。
送迎バスでの注意点は、送迎時に先生や周りの大人と会話などしているうちに、降りてきた子供が移動してそれに気づかないうちに事故などが起こります。
送迎は可能なら、親と送迎される児童だけで行くべきです。送迎されない子は、家に置いておきましょう。連れて行ったときは、手をつないでいましょう。話をしたり、降ろしている間に連れてきた子がいなくなり車の死角に入り込んでいるかもしれません。
また、自宅の駐車上に限らず、出かけた時の駐車上では必ず手をつないでいるべきです。
大人しくいう事を聞く子から降ろし、いう事を聞きにくい児は最後に降ろすと良いです。でないと二人目を降ろしているうちに、言う事を聞きにくい児が一人でどっかに行ってしまったりして事故にあったりします。
いう事を聞きにくい児は駐車場内では常に手をつないでないと危ないため、最後に降ろさないといけないという事です。
また、店外に先に出た子供が、ひかれているなんて死亡事故も起きていますし、後ろからついてきていたはずに児が気づくといなくて轢かれていたなんて事も起きています、駐車場ではいう事を聞く子でも必ず手をつないでおかないと危険なのです。
特に大きな車のそばに小さい子供がいると、運転手からは死角になり子供が見えていないことがあります。駐車場は大変危険なところと認識しておきましょう。

チャイルドシートは後部座席につけましょう。
事故例26:助手席にチャイルドシートを設置し,児が進行方向に対して後ろ向きになるように装着した状態でエアバッグが展開して大きく膨らみ,チャイルドシートの背もたれ面が強い衝撃を受けて後方に児が跳ね飛ばされた。
 
その他、階段(エスカレーター)は大人がより下側にいると児が転んでも安心です。

台所には入ってこない習慣づけをしていると、寄り付きにくくなりますし、扉などで物理的に入ってこないようにするのも有効です。小さいうちからそうしていると、扉を撤廃しても入ってこなくなったりします。逆に、つまみ食いなどさせれば、台所に入ってくるようになり、包丁や汁物で火傷する危険度が増します。

自宅の扉も玄関で遊ばせないようにしないと、扉で指を挟みます。扉側に子供を残して自分が先に家に入ってしまうと、泣き声で気づくと指を挟んでいたりします。

こどもはなんでも踏み台にして、上をのぞいたり、手を出したりします。
踏み台になりそうなものはベランダ、台所には置かないことです。覗き込んでものを落としたり転んだり、熱湯をかぶったりの原因となります。
ベランダからの転落事件もたまに起こっております。踏み台を移動させるので、ベランダに踏み台置かなければ安全という事はありません。ベランダには出られないように鍵をかける。ベランダには出さない習慣づけ。そして、子供が踏み台にしそうなもの(プランターなどを含む)は少なくてもベランダには置いておかない。
ベランダからの転落事故は3~4歳くらいの児童が多いようです。
生まれてから1度もベランダにださず、出てはいけないことを教えておけば、たとえ1人にして外出し、不注意により鍵をかけ忘れても児が出ようとしなければ安全ですし、そして出てしまっても足がかりがそこになければかろうじて大丈夫かもとしれません。

身の回りには危険がたくさんあります。
事故が起きて母の不注意を責めても何にもなりません。
そもそも不注意は起きるものだと考えて対策を立てると良いでしょう。

少しでも子供の事故が減る事を願っています。
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